クイルボディサンプルを比較してみる

jbopper

2020年04月13日 18:02

クイルボディを使ったサンプルフライをたくさん作ってみたので、
鳥の種類による違いやタイイングの際の留意点などを見てみ
ましょう。



① (たぶん)グースバイオット
② グースバイオット
③ ターキーバイオット
④ クレーンクイル
⑤ コンドルクイル

グースバイオットとターキーバイオットは、スムーズなボディと
ケバケバなボディを作ることができます。



ケバケバボディを作る際、2つの間にあまり違いが見受けられ
ません。ターキーの方が幅があるので、違うかなと思いきや、
どちらのマテリアルでも同じようなボディを造れるようです。

ただし、スムーズボディの場合には、この幅の違いを考慮する
必要があるようです。特にターキーでは、巻いた時に十分な
距離を置いてあげないと綺麗な体節が表現できません。



そもそもグースバイオットは短いので小さめのフライ向き、ター
キーは、特にスムーズボディでは、より大きなフライ向きと言え
るかもしれません。



ケバケバボディでは、クレーンやコンドルの方が、グースやター
キーに比べ、ケバケバ自体により細かな繊維が見受けられます。
コンドルは、クレーンより、ずっと毛足が長いのも見て取れます。
これらの繊細なケバケバが水分をはらんで、独特な生命感を醸
し出してくれるのかもしれません。

クレーンやコンドルではスムーズボディは作れないようです。コン
ドルでここまでやってみましたが、これらのバイオットやハールに
は、両側にケバケバ繊維があるようです。


<ケバケバ感を抑えるのがやっとかも…(汗)>

マテリアルの特性でスムーズボディとケバケバボディを巻き分け
ると面白いかもしれませんね。

バイオットもハールもそれほど強い素材ではありません。実際に
フライを巻く際には、何らかの補強が必要です。私は瞬間接着
剤を下地に付けてから、これらのマテリアルを巻くことにしていま
す。また、スムーズボディのフライなら UV レジンやヘッドセメント
でコーティングして補強しても良いでしょう。

参考までに、今回使ったマテリアル(①を除く)は以下の通りです。



さて、ここからもっとマニアックな話になるのですが、上のマテリ
アルの中で、Nature's Spirit のターキーバイオットのパッケー
ジだけに左右の羽根が入っていました。


グースバイオットやターキーバイオットは、それほど高価なもので
はないので、過去に海外ショップに行った時とかにも面白い色が
あると買ったりしていて、結構手持ちの物がありましたので、全部
調べてみました。



Nature's Spirit 以外では左右どちらかしか入っていません。△
マークを付けたNature's Spirit のグースバイオットのパッケージ
の中には、4本の右ウィングと1本の左ウィングの物が入ってい
ます。実は写真の他にもう1色同社の物を持っているのですが、
そちらのパッケージでも全く同じ構成でした。これは、偶然でしょ
うか?

以前ウィング材に使うクイルでは、ペアで左右の羽根2枚がパッ
ケージに入っているという話をしました。グースバイオットやター
キーバイオットも、ストーンニンフやプリンスニンフのテイルやウィ
ングに活用する事があります。両方入っていても良さそうなのに、
多くが片方というのは何かおかしくありませんか?(もちろん、片
方だけでもフライを巻くことは可能は可能です。)

Orvis のパッケージでは、それぞれ右ウィングだけと左ウィング
だけしか入っていません。SansuiとTrout Hunter では全部右
ウィングだけでした。サンプルが少ないので何とも言えませんが、
ここに意図があるでしょうか?それとも偶然なのでしょうか?

ひょっとして、左右の羽根で造るフライボディに何か違いがあるの
でしょうか?どちらが良いのでしょうか?(どちらかだけだと、損し
ちゃってるとか?!)

と、そんなことを考え始めたら、もっと調査せずにはいられません
よね(笑)?

こうして、深みにどんどんハマっていきます…(汗)。でも、その分、
タイイングのスキルや知識も拡がっていきますね。(私が、あくま
で素人タイヤーであることをお忘れなく!)

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ちなみに、左右のウィングの見分け方は、以下の通りです。



こちらは、コンドルクイルですが、羽根の表が写っています。右側
が根元で、バイオットが羽根の前にあって、ハールが風を捕える
訳でしょうから、このクイルは右ウィングの物である事が判ります。

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