フライ用フォーム材に車用撥水コート剤は効くのか?

jbopper

2020年07月25日 12:00


<ハックルティップウィングとディアヘアレッグのアントパターン>

フォーム材を使って、アントパターンを巻いていて思ったのは
フライの浮力の事です。

フォーム材は、そのもの自体が浮くのですが、それでも実釣
時には流れに浸かりっぱなしで、しかも幸運にも魚が咥えた
りすると、浮力は落ちていきます。


<16番のフライイングアント>

小さめのフライには、CDCやエアロドライウィングをウィング
にして、サドルハックルで水面をふわりと捕えるようにレッグを
作り、浮力向上を計ります。タイイング後には、しっかりドライ
ディップに浸して完成させます。

と、ここまでは、普通のフライタイヤーが考えそうなことなの
ですが、棚の片隅にこんなものがあったので、


<黄色い帽子からの試供品、車ボディ用撥水コーティング剤>

ちょっと普通ではない私は、実験してみたくなりました。
2mm厚のフォーム材を、8×3mmと8×4mm程度に3つずつ
切り刻み…

 ① 何もしていない素のフォーム材
 ② コーティング剤をタオルにスプレーして、そのタオルに
  よく擦り付けたフォーム材
 ③ コーティング剤を直接スプレーして、余分をタオルで
  ふき取ったフォーム材

の3つのグループに分けて、1時間程放置して乾かしてから、
その後8番フックに大きなビーズヘッドを付けて、フックの先に
引っ掛けました。

さて、実験タ~イム、水を入れた瓶にポチャン!


<最初の投入直後>
こちらは、最初にそっと落とした直後です。どのフォーム材も
細かな気泡に包まれていますが、すぐに気付いたのは①の
色が白っぽいことです。

もう少し水になじませるために、それぞれを水面まで持ち上
げてから落とすという動作を数回繰り返します。


<「持ち上げ→落下」繰り返し後>

光の加減もありますが、確かに①は白っぽい…。
これは、そもそものフォーム材にある細かな凹凸に空気が
まとわりついているせいかもしれません。


<①の様子>

だとすると、コーティング剤は、この凹凸を均すという効果が
あるのかもしれません。

次は、それぞれのフォーム材を瓶の外に取り出して、指で
摘んで潰してみました。そしてまた、水の中に戻します。


<外で、潰した後>

と、やってみて、これは実釣時にはあまり関係ないことに気
付いて、今度は、フォーム材を外に出さずに、水中で5回ほど
パフパフ摘まんで、水が浸透するようにして戻してみました。


<水中で潰した後>

①の白っぽさは、ほとんど無くなりましたね。
よく見ると②の表面には、細かな気泡があるようです。摘まん
だ時に内側から出てきた空気の泡でしょうか?

この後は、それぞれのフォーム材をフックから外して、ピンセッ
トで動かしたり、沈めたりして、違いを見ようとしました。コート
剤の効果があるようにも感じられますが、浮力の差を確定す
ることはできませんでした。


<①が一番沈んでいるかなぁ…?>

実験の様子をビデオにもまとめてみました。


<タイポがありましたね…汗>

この後、6つのフォーム材を綺麗に並べて水面に放置。


<②と③が、わずかに盛り上がっている?>

約4時間後、再度ピンセットでいじってから、再び並べて写真を
撮ってみると面白い現象が見られました。


<大きめの気泡は元々瓶の壁に付いていたものです>

①はすっかり黒くなり水になじんでいますが、②と③(特に②)
の表面には微細な気泡が見られます。

<実験結果>
車用撥水コート剤、ルックスレインコートをフライ用フォーム材に
施工すると…

1)フォーム材表面の凹凸を均して、表面の乱反射をある程度
 防げるようである。

 また、

2)フォーム材表面に撥水効果を与えることができるようである。

 ただし、

3)実際に浮力が確実に増したことを検証することはできなかっ
 た。(過剰な浮力も問題かもしれませんね。)

<アクションアイテム>
今後、タイイング用にフォーム材を使う時は、フライに合わせた
大きさに切り刻んだフォーム材に予めコート剤を塗布しておい
たものを使用してみることにします。そして、いつの日か実釣テ
ストもしてみたいです…(汗)。

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