<つい先日のイワナ釣行から>
渓流シーズンになると、ほとんどの釣行で3番ロッドを使っています。
特に最近は、ロッドが振りやすい比較的規模のある渓流では、3年
前、元同僚たちにサプライズプレゼントしていただいた8'4"のORVIS
Helios 3F、ホーム水系のほとんどを含む小渓流では、7'9"のSage
CIRCAがお気に入りです(2番のCIRCA 279を使うこともあります)。
今は昔、フライフィッシングを始めて、数年経った頃には、ビンテージ
タックルとかに目覚めてしまい、色々買いあさったりもしていたので
すが、最近になって、特に実釣では、ビンテージの雰囲気を楽しむと
いうより、テクノロジーや機能を重視しつつ、身体や財布に優しいも
のを好むようになってきました。リールにしても、古くて重厚な「味」の
あるリールより、機能的でコストパフォーマンスが高いリールをより
使うようになりました。
もちろん、手元には、手放せないタックルがまだたくさんありますが、
渓では、お陰で、コケそうになったら迷いなくロッドの手を放すことが
できますね(…苦笑)。
特に軽量で短めの CIRCAで釣りをする時は、バランスを考慮して、
小さなリールを組み合わせることが多いです。冒頭の写真で CIRCA
279と一緒に写っているのは、3-TAND(スリー・タンド)という米国新
興フライリールメーカーが作った、「TR-20 Lightweight Reel」です。
<3-TAND TR-20、ミッドアーバーのタフなリールです>
スプール外径の大きさは僅か65mm程、重量3オンス(約85グラム)
で、1~3番ライン用です。
<大きさの比較>
65mmって、バリバスのティペットスプールの大きさと同じ位で、私の
持っているリールの中では、ハーディの2 5/8インチのパーフェクトが
だいたい同じ大きさです。(このパーフェクトは、近年の復刻版です。)
それでも、重量は全く違います。
<重量比較:実際にラインを装着した重量です>
メノウのラインガードとかも付いていて、昔ながらの重厚さが売りの
Perfectですから、当然といえば当然なのですが、TR-20は、軽いな
がらも「塊(かたまり)」感があって頑丈にできています。
そして、このリール、機能的なこだわりが半端ないんです。
<装飾T文字のダイヤルで、調整できます>
低番手用リールにもかかわらず、なんと本格的なディスクドラグシス
テム(その名も、”Nano CF Drag Disc”)が内蔵されているのです。
って、そんなの要らないと言われれば、まあ、その通りなのかもしれ
ませんが、「もしもの時」のためにフライボックスを一杯持ち歩いてい
たりしませんか?それと同じことです。(もしも人生最大の一尾が…)
その他にも…、
<隠れたカウンターウェイト>
リールハンドルとのバランスを取るための「オモリ」がスプール内に
すっきりと仕込まれていたり…、
<※リールフットのステッカーは、手書きのライン情報です>
ロッドのリールシートとの装着感を高めるために、リールフット裏に
合成ゴムが仕込まれていて、エンボスされたロゴの分だけ、密着
性が増すようになっています。グラつかなければ、リールが外れる
チャンスも減るでしょう。(リールシートの金具によっては、装着しに
くいこともありますが、慣れれば問題ありません。)
そして、このリール、米国では200ドルを切る価格で売られています。
(私は 3年ほど前に 22,113円で購入しましたが、復刻版のハーディ
パーフェクトリールは、2.5倍以上の価格だったと思います。)
20,000円なので(と言っては失礼ですが)、ガンガン使えます。
唯一、マイナス点を言えば、クリック音がない事でしょうか?(アメリ
カの革新的なフライ狂デザイナー達は、取って付けたような音など
要らないと考えたのでしょう。そう、雰囲気よりも実用性。)
このリールを買った直後に、もうひとつ小さなリールを買っています。
TFOの BVK Super Large Arbor 「0」モデルで、こちらは低番手
用のクリックリールで、価格はTR-20とだいたい同じです。スプール
径は、5mm長くて約70mmですが、重量はしっかり絞り込んでいま
す。しかもラージアーバーでラインの巻き癖が付きにくい仕様です。
こちらのリールは、TFOらしく、必要充分な性能を納得価格で提供
してくれるリールだと思います。
2番手ラインを巻いて、こちらもガンガン使っています。
必要充分にしてリーズナブルな価格、必要以上の機能に拘りつつ
もリーズナブルな価格…。どちらも間違ったビジネス戦略ではない
と思います。メーカーさんも色々あって面白いですね。
ちなみに、スリー・タンドのTR-20には3番ラインを巻いていますが、
先日のイワナ釣りの様に、ラインをほとんど出すことのない源流釣
行とかでは、2番ロッドで使うこともよくあります。
ちょっとだけ釣行の様子です…。
<2020.6.30 某渓流、晴れ20~27℃、水量少な目>
猛暑を逃れて、お隣の県で、プチ源流釣行です。
7時前入渓、チョロチョロ流れから始めると、ちっちゃなアマゴさんと
イワナ君が、まずは、ご挨拶してくれます。
流れが広くなり始めると、ちょっとだけサイズアップです。
ライズも見つけて…、
もう少しだけ大きいのが来ます。
ところが、9時頃からアタリが消え始め、真新しい足跡も見つけます。
それでも、時々反応があるから、引き返せません…。
あそこで、フライにモコモコっと反応があった気がして、しつこく攻め
続けると…、
何とか釣れました!
今日のイワナ達はやる気があるのかないのか判りません…。
ここからは、派手にフライに食いつきました。
どっちつかずでも何とかツ抜けますが、サイズも期待できないよう
なので、11時には一端脱渓して、クルマに戻って、ご当地グルメで
お昼にしました。
<塩分補給感たっぷりな濃い目の味でした…>
午後は、別の支流に入ってみます。
すんなり出ました!
サイズは伸びませんが、綺麗なイワナです。
少し上流、過去に実績のある長めの流れ(写真なくてすいません)
では、何かが高速で追い食いしてきて、フライをかっさらいます!
冒頭の写真の8寸イワナでした!
これからかと思ったのですが、この後、堰堤を2回巻き、流石に足
腰が悲鳴を上げ始めます…。
3つ目の堰堤下の倒木前で釣れましたが、引き抜いてしまったの
で、写真は取らずに即リリースします。
隅から隅まで堰堤を攻めてみますが、追加の釣果はありません。
再度堰堤を巻く気にはなれなかったので、ちょっと早いですが、
ここを最後に14時前に脱渓しました。
本日の釣果は、チビアマゴ2尾とイワナ12尾(MAX 24cm)。
ゆっくり帰り支度をして、猛暑の下界に渋々帰還しました。
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