「もういらんやろ!」と、おとがめを受けそうですが、またロッドが…(汗)
Sageの新製品、CIRCA 379-4 (「サーカ」、7' 9" 3番、4 pc)。
海外オークションで国内定価の半額近くだったので、ついついポチッと…
<言い訳(笑)
>
実は、2008年頃から Sage TXL というファーストアクションロッド(7' 3番)を
メインに使っていたのですが、2年ほど前、TXL-Fというバージョンアップした
ロッド(7'10" 3番)を使い始めた頃から利き腕の右手に違和感を感じ始めま
した。そして、昨年春、右手中指と薬指の第2関節から根元にかけて、
腱鞘炎の痛みに悩み始めたのです。
※ 先日のレッスンでしっかり握るべきなのは、薬指と小指だと教わりました。
まあ、何のことはない、釣りに行き過ぎで、一釣行でたぶん数百回(?)と
ロッドを振るわけでしょうから、ロッドストップも相当な回数繰り返され、(私の
自己流キャスティングが最大の原因でしょうが)、ストップ時の反動が、2つの
指関節の負荷になっていたようです。
その後、スロー気味のロッドを使うようになり、できるだけゆったりとしたキャ
スティングを心がけ、お陰さまで指関節もすっかり治りました。もちろん、バン
ブーロッドも好きなのですが、グラファイトの軽さと手軽さも捨てがたく、小渓
流の釣行では一昔前のミディアムアクションのSage SLT 7' 6" 3番をメインに
据え、その他、Winston WT 6' 6" 2番などもよく使っています。
<上からSLT 376-4, TXL-F 3710-4, CIRCA 379-4
ラベルを拡大>
そうした中、Sageが新しい感覚("Advanced":進化した)のスローアクション
ロッドを出したと聞いて、興味津々。今回、格安の新品を見つけてしまって
(Sageは値引きしないことで有名)、思わずポチッとしてしまったという訳です。
(ちなみに、写真のロッドは全て同じような入手経路だったりして…)
<まずは見た目から…>
ド派手で細身のロッドチューブが印象的な、4ピースです。
このロッドを見て、真っ先に気付くのは、今までフライロッドで見たこともないよう
なブランクの細さです。上の比較写真では判りにくいかもしれませんが、細いと
思っていたTXL-Fより更に細くなっています。
重量はTXL-Fの方が軽いのですが、それでも 2 1/16 oz = 約59g で数グラムの
差。重量があまり変わらず、細くなったということは、新しいブランクには繊維が
ギュッと詰まっているということなのでしょうね。(それが Konnetic technologyと
いうSageの新技術らしいです。)
リールフットスペーサーはVera Woodという緑がかった褐色の木材。リールシー
トは黒のアルミ製。ロッド自体がとても細くてリールシート長も短めなこともあり、
ブランクカラーともマッチする SAGE 503Lリール(初期小径版)を合わせてみま
した。
ブランクも渋い緑…「グリーンティー(緑茶)」色だそうです。グリップは短めの
ハーフウェルズ(TXL-Fよりはちょっと長目)で普通サイズの私の手にもしっくり。
お高いロッドですから当たり前とは言え、高品質なパーツを丁寧に組み上げ、
それでいて渋いカラーで統一感を持たせているのは、好感が持てます。
<ファースト・インプレッション>
このロッドのコンセプトは、ファーストアクションロッドで有名なSageが、最新の
テクノロジーで、敢えてバンブーやグラスのスローなキャストフィールを出そうと
いう試みなのだそうです。
入手後、早速、近所の公園でライン(RIO GOLD WF3F)を通して振っ
てみると、今まで振ったロッドとはやはり違ったフィーリングです…
確かにスロー、でもペナペナ感は全くありません。
Sageに特徴的な「軽くて、硬くて、ファーストなロッド」ではなくて、「軽くて、
腰があって、スローなロッド」ということなのでしょうか?
確かにテンポをスローにした方がロッドにラインは乗りますが、でもイマイチ
何が良いのか、私にはよく判りましぇん…。
その後、近所の河原で振ってみたり、
シャロムの森に連れて行ったりしてみて
も、どこが良いのやら…。
普通に釣れますが、何がそんなに凄いの?! むしろ、Sageのファーストロッドの
方が正確にポイントを狙えるし、こんな頻繁にウィンドノットはできないぞ!
「Advanced」スローアクションロッド、正直、未熟な私には扱いきれないし、理
解することもできませんでした。
綺麗なうちに手放すことを真剣に考えました…
<実はとっても楽しいロッド!>
目から鱗が落ちたのは、先日の
キャスティングレッスンでした!
そもそも、小渓流であまりラインを出さずに釣る場合、Sageのような硬くて
しっかりしたロッドを使う時、敢えてロッド全体に仕事をさせなくても、ティッ
プ側の弾性だけ使ったキャスティングでも充分フライを飛ばすことができちゃ
います。小渓流を中心に釣っていた私は、いつの間にかいつでもティップ
キャスト気味にキャスティングする癖がついていたようです。(もちろん、
ティップキャストもTPOに応じて有効なテクニックだそうです。)
Sage CIRCAでもティップキャストは可能ですが、通常のキャスティングの
途中でロッドのティップ側に余分な力が掛かってしまうと、ブランクの柔軟
性が高い分、ロッドティップの軌道が余計に凹んでしまい、ループが綺麗に
伸び切らなかったり、ウィンドノットができやすくなってしまうのです。
先日教わったのは、バットからロッド全体を曲げて行うキャスティング方法で
した。ほんの少しの違いなのですが、バットから曲げることを意識しつつ、
ロッドティップの軌道を真っ直ぐコンスタントに加速させるキャスティングが
行えると、Sage CIRCAはその真価を見せてくれました。
しかも、ゆっくりとしたテンポで、それが実感できるのです!
先日のレッスン以来、ラインがこのロッドに乗って前後に行きたがるような
感覚がはっきり分かるようになりました。ロッド自体はとっても細いのに、
リーダー・ティペットを含めてラインは綺麗に真っ直ぐ伸びていきます。そして、
ホールを付けてラインスピードを上げてみると、タイトなループを作ることも
できちゃいます!
「キャスティングが楽しい!」などと、今まであまり感じたことのない私ですが、
このロッドのキャスティング、正直楽しいです!
<シャロムの森:イワナポイント>
<実釣>
さて、先週末、改めてこのロッドを持って、HRに行ってきました。
ちょっとした意識と振り方の違いで、印象はこうも変わるものでしょうか?
フライをソフトにピンポイントで落とすことはもちろん、小技やメンディングも
上手く行きました。当然、超近距離のリーダーキャストもできますし、ロール
キャストでちょっと上流や対岸を釣ることもできました。もちろん、ある程度の
距離のキャスティングが必要な時にも、十分対応してくれました。(ウィンド
ノットの問題もほぼ解消しました!)
釣れた時の感覚も素敵です。魚の動きというか、躍動が細身のブランクを
通してダイレクトにビンビン腕に伝わってくる感じです。
<もちろん、こいつではそんなにビンビン感じませんが…(笑)>
最初は、こんな細いロッドで、大物は大丈夫かと心配しましたが、鹿留の
40㎝前後のニジマスとやり取りした時も、当然引き抜くことはできませんで
したが、しっかりと渡り合って、そのやり取りは滅茶楽しかったです。
<シャロムの森の23㎝ヤマメ。やり取りは充分楽しめました。>
このロッドでレッスンを受けたことで、大きく評価が変わってしまいましたが、
キャスティングスタイルを選ぶロッドと言えるでしょう。バットから曲がる特性を
活かしたスローテンポなキャスティングがお好みなら、楽しさ倍増!そして、
釣り味も良し、となれば、私としては、これから小渓流のメインロッドになり
そうな予感たっぷりな3番ロッドです。
※ 人生で初めてバックキャストを褒められたロッドは手放せませんよね…
そろそろ本気でロッドの整理を考えなければ…(汗)
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